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ヨーグルトとチーズケーキ

好きなものを好きなだけ

青春マンガ・H2はとてもいい

この記事はこちらの企画への飛び入り参加記事です。

しきさん、今年も素敵な企画をありがとうございます。

www.adventar.org

 

 

表題の通り、この記事は私が大好きなマンガ、あだち充作品のひとつ「H2」がテーマです。

例年だと春の終わりから夏にかけてくる熱がなぜかこの真冬の時期に来たので、せっかくなので書いてみようと思います。

 

元々マンガやアニメ等2次元が大好きで、今までもそれなりの数のマンガを読んできました。そのどれも好きな作品ばかりですが、こんなに長期間ずっと繰り返し読み続けているのはH2だけです。

父の影響で中学生の時に初めて読んで以来、毎年夏が近づくと必ず読みたくなるマンガ。以来10年以上、最低でも年1回は必ず全巻一気読みするのがお約束になっています。

 

アニメ化や映画化もされ、有名なものが多いあだち充作品。陽あたり良好!、みゆき、タッチ、ラフ、KATSU!、クロスゲーム…色々読んでそれでもやっぱりH2がダントツで大好きな、ただのH2ファンによる「H2って面白いよ!!!すごくいいよ!!!!!」という紹介文です。

 

 

1.H2ってどんなマンガ?

 

◯概要

あだち充先生による、1992年から1999年まで週刊少年サンデーにて連載されていた長編野球漫画です。単行本巻数にして全34巻(コミックスワイド版全17巻、文庫版全20巻)と、あだち充作品の中でも特に長い作品になっています。

 

 ◯ざっくりあらすじと超主要登場人物

中学野球で地区大会2連覇を果たし、豪速球で名を馳せた国見比呂が、親友でライバルな中学時代のチームメイト・橘英雄と別々の高校に進学したことから始まる物語。友情あり野球に燃える青春あり、幼馴染の女の子かはたまた同級生の女の子かと揺れる恋愛あり、の高校3年間を描いた青春漫画です。

 

これだとあまりにも雑なので、本当に主要人物のみですが登場人物紹介と共にもう少しだけ詳しく紹介します。

 

・国見比呂(くにみひろ)

この漫画の主人公。中学時代から豪速球で名を馳せ、高校でも野球を続けるつもりが、医者から「あと3カ月で確実に肘が壊れる」と宣告を受ける。未練を断ち切るため野球部のない千川高校へ進学するが、そこには“野球愛好会”がひっそりと存在していた。そこに古賀春華が現れ、さらに実は医者が藪医者で宣告は嘘っぱちだったことも判明したことから、野球を辞めるはずだった比呂の高校生活は一気に変化する。

雨宮ひかりと野田敦とは幼馴染で、橘英雄と野田とは中学でチームメイトとなる。

あだち充の主人公らしく、やってやるぜ!な見るからに熱血漢とは程遠いが、とにかく野球のこととなるとかっこいい。もうほんとかっこいい。普段のちゃらんぽらんはどこいった?

恋愛とかそっち方面の情緒の成長が周りに比べて遅かった(本人自覚済み)。

どんなピンチも野球の楽しみに変えてしまう、マウンド上の誰よりも野球を楽しむことができる、根っからの野球大好き少年。

 

・橘英雄(たちばなひでお)

もう1人の主人公。天性のスラッガーで、野球の名門・明和高校に進学し1年生ながらレギュラーを獲得する。新設の無名野球部部員となった比呂や野田に、何のためらいもなく甲子園で対戦しようと言ってのける、野球大好き少年その2。

比呂のことを本心から親友だと思い、そして誰よりも投手・国見比呂のファンであると自負している。ただの野球大好き少年。

基本真面目で文武両道。中1の頃ひかりに一目惚れし、比呂の紹介で付き合い始めることになる。ひかりも同じ明和高校に進学し、今や家族・学校中が公認の仲。 

 

・雨宮ひかり(あまみやひかり)

 比呂や野田の幼馴染。美人でしっかり者、頭も良く家事も万能、男女問わず人気があるすごいヒロイン。周りに弱みを見せようとしないところが英雄とそっくり。

将来の夢は新聞記者。

小さい頃から比呂と一緒にいて世話を焼いていて、よく比呂のキャッチボール相手にもなっていた。

 

・古賀春華(こがはるか)

千川高校1年生の、比呂や野田の同級生。高校野球の大ファンで、野球部のない千川高校に野球部を作ろうと奔走した、野球部創立の立役者。部が出来てからはマネージャーとなる。

可愛くて天然のおっちょこちょい、かと思いきや成績優秀スポーツ万能で人柄も良く皆から愛される、これまたすごいヒロインその2。

比呂に出会うまではまともな男性と縁が無かった。比呂に会えてよかったね。とにかくいい子。

 

 

・野田敦(のだあつし)

比呂とひかりの幼馴染。比呂とは中学からバッテリーを組んでいて、比呂から絶大の信頼を寄せられている。

野球の知識が豊富で、中学時代の比呂と英雄を育て上げた。

比呂と同じく藪医者から「痛めた腰には野球ではなく水泳を」と言われ、野球を辞めるため比呂と千川高校に進学する。

 

 

あまりネタバレしないように書こうとしたらなかなか難しいうえ、文章量にばらつきが出てしまいましたがみんな本当に魅力的なキャラクターばかりです。どの子も大好き。全員幸せになってほしい。勿論このほかに各校のチームメイト、ライバル校、家族、その他たくさんのキャラが出てきてみんな大好きでキリがないので、そこはウィキペディアさんか実際にマンガを読んでご確認ください。ほんと素敵なキャラクターばかりです。みんな大好き木根くんとか。

あらすじ:H2 (漫画) - Wikipedia

登場人物:H2の登場人物 - Wikipedia

 

ちなみに、作中ではタイトルの「H2」は2人のヒーロー=(比呂(ヒロ)/ヒーロー=英雄(えいゆう)=ひでお)から来ているとされています。さらにコミックス完全版表紙には「2人のヒーローと2人のヒロインの高校生活」を意味する英文が示されており、またこの4人の名前のイニシャルが全員Hになっています。

 

 

2.超個人的H2の推せるポイント

 

◯主人公達を支える、愛されるべきサブキャラ達がたくさん

先述の通り、H2にはたくさんの魅力的なキャラクターが出てきます。

比呂や野田のチームメイト達を始め、ライバル校明和高校野球部、対戦校の野球部員たち、比呂やひかりの両親、国見家の飼い犬に至るまで、どのキャラも魅力たっぷりで語りつくしたらキリがありません。

真面目で野球も絵もうまくてとってもいい人、ザ・野球少年な風貌の、千川高校に野球部がない原因である張本人の息子。

いい加減と見せかけて実はちゃんと考えてる、と見せかけてやっぱり適当?、でも心から高校野球が大好きな千川高校野球部監督・春華の兄。

2年生になった英雄に、ひかりがいると知りながらガンガンアタックしては失敗しちゃう、自分に自信満々な、でもどこか憎めない新入生の明和高校野球部マネージャー。

「大きくなったら比呂ちゃんはきっとかっこよくなるよ」と比呂やひかりが小さな頃からひかりに言っては笑われていた、ずっと変わらず優しく笑って見守ってくれる、綺麗でかっこいいひかりのお母さん。

 

大好きな子達がたくさんいる中でも、やっぱり私の推しは千川野球部センター木根くんです。

目立ちたがり屋で女の子大好きなお調子者。好きな女の子(春華)を振り向かせるためちょっと狡い真似もする。でも実は人に見えないところで努力を重ねるし、比呂にも劣らない野球センスを持ち合わせる、案外素直で真面目ないい人。でもやっぱり軽い。カーブを投げれば性格と同じくらい曲がる。

木根くんのあのシーンは何度読んでも涙なしでは読めない、ほんと大好きなあのあそこ、読んだことある人はわかるでしょ!?読んだことない人はぜひ読んでください!!!そしたら声を揃えて「みんな大好き木根くん」!!!!

 

 

◯解釈が分かれるラスト

「H2  あだち充」で検索すると、結構な頻度で目に入るのが「ラストの解釈」や「考察」という言葉です。

あだち充は元来、言葉少ななセリフや、セリフのない含みを持たせたコマにより読む側に想像させる場面が多いと思うのですが、このH2の最終回はまさにその「読者に想像させる」余地がたくさんある回になっています。

 

比呂と英雄は、約束通り、高校3年の夏の甲子園準決勝で対戦することが叶います。

野球部創立1年目の無名校だった千川高校は、この2年半の比呂や野田を始めとする部員達の活躍により今や全国区の高校になります。当然明和高校も、天才スラッガー橘英雄を始め粒ぞろい。

高校野球ファン誰もが注目する、そして比呂と英雄2人の念願の千川対明和。

しかし、ここに至るまでの様々な出来事、状況の変化で、あまり素直に喜べる対戦ではなくなってしまいます。特に、比呂にとっては。

元より勝敗にあまりこだわりがなく(それでも実力が抜きんでているので必然勝つことが多くなるのですが)、ただひたすら野球を楽しむただの野球大好き少年だった比呂が、夢の舞台のこの対戦に限ってはそうはいかなくなります。

楽しむことが誰より上手な比呂が、マウンド上で笑えず、楽しめず、ただ勝ちにこだわるようになる。

その原因は、英雄が唯一無二の親友で、ひかりが大切な幼馴染だからこそでした。

そんな比呂を何も言わず勝ちを信じて送り出す春華。

比呂、英雄、ひかり、春華、4人の様々な思いが絡み合ったこの対決が終わったところから、最終回が始まります。

 

 

…もうこれ以上ネタバレしないで語るのがほんと無理なので、気になってくれた方はぜひ読んでみてください。今これを書いてるだけでも思い出して胸がいっぱいで泣きそう。比呂とひかりと英雄と春華、そして全てを見てきた野田の思いがこれまた泣ける。みんな幸せになってくれよ。

所詮ただのボールゲーム、でもそこにあまりに色々な思いが詰まりすぎました。一緒に戦ってきたチームメイト、大好きな親友、大切な幼馴染、ひたむきで一途な同級生の女の子。

たくさんの思いが詰まった親友対決を終えた後、それぞれが伝えるべき人へ伝えたい思いを語りますが、そこがファンの間様々な捉え方があるところ。

比呂のあの涙の意味は?ひかりの真意は?

読んだ方は感想を聞かせてください。お願いします。

 

 

◯比呂とひかり

なんといってもこの2人がいなければ、私はこんなにもH2を好きではなかったかもしれません。

初めて読んだ時以来、とにかくこの2人の関係性が大好きで大好きでしょうがなくなりました。

 

 比呂とひかりは同い年の幼馴染。小さい頃の比呂はひかりよりも背が低く、いたずらばかりで手のかかるやんちゃな男の子で、そんな比呂をしっかり者のひかりはまるで保護者のように世話を焼いていました。

男の子より女の子の方が成熟が早い、「もーちゃんとしてよ男子ぃー」みたいな、よくある感じの幼少期を過ごしていました。

ひかりにとって比呂はただの手のかかるほっとけない幼馴染、比呂にとってひかりは口うるさい幼馴染。

そんなひかりにひかりの母親が「比呂ちゃんは大きくなったらきっとかっこよくなるわよ」と言っても、間に受けるわけもなく笑い飛ばしていました。

色気のある雰囲気など微塵もないまま中学生になった2人に転機が訪れます。英雄との出会いです。

同じ野球部に所属し友人となった比呂と英雄、その後英雄はひかりに一目惚れし比呂に仲を取り持ってくれるようにお願いします。喜んでひかりに英雄を紹介した比呂、ひかりは比呂と同い年なのに比呂より大人びていてかっこいい英雄に恋をします。

晴れて付き合うこととなった2人に比呂も、いい事をした、ぐらいに思っていました。

そうして1年半後、人より遅れた思春期がやってきてようやく比呂は、「ひかりは案外いい女なんじゃないか」と気づきます。

自覚した時には相手の女の子は自分の大切な親友と付き合っていた、思いを告げる機会を失していた比呂の初恋は、ひかりに告げられることなくひっそりと胸にしまわれたまま。

ひかりはひかりで、母親に「そのうち絶対かっこよくなるわよ」と言われても今まで通り笑い飛ばせなくなる時がきます。中学2年で比呂に背を追いつかれた時、初めて比呂を異性として意識し始めます。

それでもひかりは英雄のことがちゃんと好きで大切で、そして高校に入ると比呂には春華という自分に素直に好意を寄せてくれる気になる女の子もできて。変わっていく環境の中、確実に、目に見えない形で2人のお互いへの思いもそれまでの「ただの幼馴染」から変化していきます。

 

作中、この比呂とひかりのお互いへの思いが少しずつ確実に変わっていく様が何度も描かれていますが、これまたあだち充流の描き方というか、とにかくすごく上手い。どこから目線だよという感じですが、エピソード自体もその描き方やセリフとかも、とにかく絶妙でいちいちグッときます。ほんとすごい。超胸に来る。

 

幼馴染で誰よりもお互いを知り尽くした2人。

誰の前でも、英雄にも親にすら決して涙を見せないのに、比呂の前でだけは泣くことができるひかり。

本当に辛い時、どうしてあげればひかりが泣けるかを知っている比呂。

ひかりがずっと英雄に恋をして、英雄のことが大切なことを痛いくらい知っている比呂。

ひかりへの思いを消化しきれないまま、それでも気になる女の子にドキドキしたり、でもやっぱりひかりはどこかで絶対的に“特別”であり続けます。それはたぶんひかりも同じ。

 

恋というには複雑すぎる、親友と言えるくらい爽やかな清々しいものでもなく、腐れ縁と言う言葉で済ますには少し甘酸っぱい、家族でもただの幼馴染でも説明がつかない2人。

きっとこの先、比呂やひかりが誰を好きになり誰と恋をしようが、比呂にとってのひかり、ひかりにとっての比呂に、取って代わるような存在は有り得ないのだろうと思います。

そんなにお互いが特別で大切なのに、でも決して“付き合う”という選択肢が生まれない2人。

誰より大切で大好きだからこそ付き合わない2人。

お互いがお互いの絶対的な“特別”たりえる2人の、この関係性が好きで好きでたまらないまま気づけば10年以上経っていました。

 

人と人の関係には、恋や友情、色んな関係性があると思うのですが、私にとってはこの比呂とひかりの関係がダントツに大好きで大好きで大好きです。

 

2人がこんな関係になるまでの過程が34巻の間に丁寧に描かれています。とにかくすごいんだ。エピソードに逐一コメント入れていきたいくらいどのシーンも本当に好き。

 

3.最後に

ここまで繰り返し書いていますが、H2は高校野球部の3年間を描く漫画です。

こうなると普通は野球マンガいうジャンルにあたり、勿論それで何も間違っていないのですが、ここはどうしても「青春マンガ」と呼びたいんです。

野球という部活動に燃えるのも青春、かけがえのない親友と大好きな野球で競い合うのも青春、チームメイトと友情を築くのも青春、気になる可愛い同級生に恋心を抱くのも青春。

そして、恋とも友情ともつかない、不思議な特別な感情を知るのも青春。

恋に部活に友情に、そして特別な名前のない感情に、一生懸命な高校生たちの3年間の物語です。

まさに名作、気になった方はぜひ読んでみてください。そして感想をブログでもツイッターでも書いたら教えてくれたら私が嬉しいです。「比呂とひかりって別にそんなあなたが書いてるようなあれでもなくない!?」でもいいんです、とにかく読んで感想を。お願いします。読んで。名作です。H2はいいぞ。

 

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 

 

H2〔文庫版〕  1 (小学館文庫 あI 61)

H2〔文庫版〕 1 (小学館文庫 あI 61)